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第1部 一章 【財前姉妹】その2 第十話 woman

Penulis: 彼方
last update Terakhir Diperbarui: 2025-03-22 10:00:00

23.

第十話 woman

「リーチ」

 東2局にマナミからのまさかのダブリーが入る

「うそでしょー!」

「早すぎるぅ」

 リーチ宣言牌は⑧筒。場には親のヒロコが捨てた中と⑧筒しか情報がないままカオリの切り番になった。安全牌は当然ない。

カオリ手牌 切り番

三伍八①③④⑦137東北白発 ドラ北

(こんな手からじゃ勝負になるわけもない。降り切らなければ。しかし、どうやって?)

 とりあえず白でも切ろうかと手を伸ばしたその時。

《⑦筒を切りなさい》

 またあの声が聞こえる。

(⑦筒? なんでまた)と思いながらもカオリは⑦筒を切る。通った。

 その後はスグルやヒロコが色々通してくれたのでカオリは降り切り流局寸前でスグルがマナミからタンヤオイーペーを出アガリ。カオリは失点0でやり過ごすという今の状況から考えたらベストと言える結果の1局になった。

(あの声はなんなんだろう。気になるなあ…… でも、味方みたいだしまあ、いいか。今は、集中だ)

 幻聴だろうとファンタジーだろうと超能力だろうとどうでも良かった。いま、目の前で起きている真剣勝負。それから目を逸らす余裕はカオリにはないし、勝負以外のことなど、どんなに不思議なことであれ、あまり興味がなかった。

(さっきのカオリ先輩の⑦筒切り。なんでだろうね? ヤチヨはわかる?)とアンがヒソヒソとヤチヨに話しかける。

(わかんないです。私なら字牌とか①筒あたり切りそうですけど)

(だよねえ、私もそう。独特だったよね)

 アンとヤチヨはカオリの麻雀に興味を持ちそれからじっと張り付いて見ることにした。

(なんか見てるな…… ⑦筒切りの理由とか聞かれたらなんて答えよう)カオリはふとそう思ったが余計なことを考えていたら急にスグルのダマに放銃してしまった。

「3200」

 一手替わりで四暗刻になる三暗刻のみのカンチャン待ちに刺さる。

(しまった。全然気付いてなかった。声はいつでも聞こえてくるわけじゃあないのね……)

 むしろ四暗刻になる前に放銃しておいて助かったかもという風に良い方向に捉えて気を取り直す。

東4局

 カオリの親番が始まる。

コンコロコロ…… 

 サイの目は1と4の5

「自5っと」

 カオリは自分の山を少しだけ覚えてた。わざわざ覚えようと思ってたわけじゃないが白を3枚適当に積んだのは何となく記憶にあった。すると、ドラが白。しかし、自分の配牌には白が1枚も無かった。

(まずいな、散ってればいいけど…… 私以外の3人のどこかに配牌で白が1枚~3枚入ってしまった可能性がおおいにある。危険な局だ。気をつけないと。……あっ)

「チー」

 56の7を率先して鳴く。

 カオリはメンゼンで仕上げられそうな手が来たが序盤からリャンメンを鳴いて速度を重視した。

二三四伍伍③④⑥⑥⑥(567)

《えっ、これリャンメンを鳴いちゃうんですか? 勿体ない》

(仕方ないのよ、この局はこれでいい。赤引くかもしんないし、これはこれでアリ)とカオリが声に対して想いを脳内で語ると……

《ふむ、そうですか。私の知らない何か理由があると見ました》

「あっ、会話できるの?」

 思わずカオリは声に出した

「何のこと?」

「ごめん、こっちの話」(やべ、変に思われたかな)

 マナミは不思議そうに首を傾げる。それはそうだ。あっ、会話できるの? とは一体何のことだかさっぱりわからない発言なのだから。

 カオリは2巡後に赤⑤筒をツモあがる。

「ツモ。1000オール」

「あーー! 残念! 配牌でドラの白アンコってたのに!」とヒロコが悔しそうにした。

(ふう、危なかった)

《なるほど、自山だから少し覚えていたんですね。そういう事でしたか》

(ねえ、あなた。名前はないの?)カオリは脳内で語りかける。

《名前ですか…… そうですね【woman】とでも呼んでください》

 確かに『声』は綺麗な女性《ウーマン》を連想させる透き通るような美声だった。

《私が言うのもあれですが、カオリは受け入れるのが早いですね。不思議だなとか、幻聴かとか無いんですか?》

(実際聞こえるし、不思議だけど味方だし、あまり難しく考える必要はない気もした。これからよろしく。womanさん)

《『さん』は要りませんよ。よろしくお願いします、カオリ》

 とても不思議な話なのだが、麻雀以外の事柄には興味のないカオリにとってもはや超能力すらたいした話ではなかったのであった。

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